理事長所信

はじめに

創立以来55年という永きに亘り連綿と受け継がれてきた米沢青年会議所の運動。その根底には必ず「未来」という二文字があったのではないでしょうか。

JCIが掲げるJCI Creed、JCI Mission、JCI Vision、そして公益社団法人日本青年会議所が掲げるJC宣言、綱領には、「Future」「未来」という言葉そのものはないものの、読み解けば、全て未来に通ずるものです。そして、我々米沢青年会議所に立ち返れば、全てが米沢・川西の明るい未来のために運動をしています。

その時々の「今」の積み重ねは振り返れば過去であり、その時々の「今」の積み重ねは前を向けば未来そのものです。未来を創造するために「最高の今」を積み重ねる。「米沢・川西の明るい未来」のために、米沢青年会議所の「最高の今」を繋ぐことが、これまでも、そしてこれからも求められることであり、途切れさせてはいけないことを米沢青年会議所メンバーとしての矜持とともに強く自覚しなくてはなりません。

 

笑顔の先にある未来をイメージしたひとづくり

米沢・川西の今を担うのは、ここに住み暮らすまさに我々青年世代です。そして同じように米沢・川西の未来を担うのは子供たちです。成人に至るまでの人間形成は、多種多様な環境に身を置くことで得た経験によるもので、何か特殊な一つの経験や環境に寄ることは非常に稀です。様々な経験が複雑に絡み合い自分というアイデンティティを形成していきます。

そう考えると、ひとづくりとは何か大きく強烈なインパクトを与えることではなく、織りなす糸の一本になるようなことではないかと考えます。たかが一本の糸かもしれません。しかし、その一本が未来を担う子供たちの心を豊かにし、可能性を広げる一助となるよう、子供たちの笑顔の先にある未来をイメージしながら強く関わっていかなければなりません。そして、日本人の心が失われつつあると言われる今、この関わりを通して私たち自身も徳溢れる日本人の心を醸成させなければいけないと考えます。目に見えるものだけではなく、目には見えないものを大切にする、日本人の心を宿したその背中には、教科書にはない伝える力があると信じています。

 

地域を愛する心が創り出すまちづくり

バブル崩壊以降、成長と衰退が重なり合うように押し寄せ、程度の違いはあるものの混沌の只中から抜け出せない状況が続き、全国の約半数の自治体が消滅可能性都市とされる2040年問題が取りざたされるなか、四季が織りなす素晴らしい風景、長い歴史が物語る伝統文化を持つこの米沢・川西を存続させる義務が私たちにはあります。なぜならこのまちに生きていると同時に生かされているからです。

私たちの多くはこの米沢・川西で生を受け、人生の大半をこのまちで生きてきました。そして図らずも育まれた愛郷心は、このまちに残る、もしくはこのまちに帰るという選択をさせ、今、このまちに生かされています。私は、この愛郷心こそがまちづくりの根源だと考えます。愛郷心から創り出されるまちづくりは、このまちに住み暮らす人々の中にある米沢・川西を大切に思う心の火種をより大きくし、その火種はこのまちの発展の大きな力になっていきます。事業実施による直接的な地域社会の発展への寄与と、繋げていくことで強くなっていく間接的な地域社会の発展への寄与という意識を持ち、愛郷心溢れる米沢・川西を創造していきます。

 

変革の能動者たる地域活性

公益法人制度改革に伴い、私たち米沢青年会議所は公益社団法人への移行を目指しました。そして核となる新たな継続的な公益事業を模索し、立ち上がったのがミュージックフェスティバルです。2010年に立ち上がり、今年で7回目となりました。まさに模索から始まったミュージックフェスティバルも、年を重ねるごとにブラッシュアップされ、柔軟に形を変えながら米沢の夏祭りへと定着し始め、住み暮らす地域の活性に大きく寄与しています。行政や関係諸団体との連携により、大きくおおきく成長したこの事業ですが、一方で我々青年会議所としての事業への関わり方が急激に変化してきているのも事実です。一歩ずつ着実に成熟への道を歩んでいるこの事業は、もうゴールが見えているのでしょうか。イメージする完成形があり、そこに向かって突き進み、そして形になってきたからこその新たな壁が立ちはだかっているように思います。しかし、その壁はイメージする完成形を変えることで乗り越えることのできるものに変わり、このミュージックフェスティバルがより強く地域の活性に繋がるものだと確信します。

四季のまつりの一翼を担う事業だという自覚と、米沢青年会議所が主催する事業だという誇りを持ち、事業の更なる発展を目指します。

 

「忘れない心」復幸支援

東日本大震災の発災から5年が経ち、険しく長い復興の道のりは、力強い歩みにより、新たな東北の実現に近づいています。発災直後から今に至るまで、被災地へ心を寄せながら、状況の変化に呼応した支援活動を行ってきた私たちは、その力強い歩みをこの目で見てきました。復興が進んできた今、求められる活動は、支援するという形ではなく、ともに歩むという意味合いに変わってきています。時とともに東日本大震災への関心が薄れていくことは、目まぐるしく変化する現代において仕方のないことなのかもしれません。しかしながら、私たちは東日本大震災への関心が薄れてきているからこそ足を止めてはいけないのです。真の復幸を果たす日は必ず来ます。その日が来るまでこの歩みを進めるのは私たち米沢青年会議所の責務と考えます。そして、これまでの復幸支援活動を通して培われた被災地に心を寄せる想いは、不測の事態に陥った時にたくさんの人たちを救う力になるということを忘れてはいけません。

 

組織を逞しくする会員拡大

日本青年会議所が全国的な会員減少に危機感を持ち、会員の拡大に大きく舵を切ってから、4年が経ちます。我々米沢青年会議所は会員拡大の意義を理解し、一過性のものではなく、継続して取り組みをしてきたことが功を奏し、全国的にも稀な4年連続での会員数の純増ないし維持を成し遂げてきました。

私たちは入会して何を得たのか。沢山のものを得ましたが、その中の一つには仲間があります。40歳という制限のもと強制的に新陳代謝が行われる会において、新たな仲間との出会いこそが会の存続・発展を意味し、それこそが青年会議所運動の根幹であります。今いる私たちがこの米沢青年会議所の存続と発展にまさに寄与していることを自負し、その自負を手に新しい仲間を探し続けます。そして新しい仲間が、力強く運動を展開できるよう、青年会議所活動への理解の深耕を図り、運動を展開する仲間としての成長を促す、責任あるフォローアップをしていきたいと考えます。

心を繋ぐ総務・広報

途切れることなく青年会議所運動を展開する私たちは、一つひとつの事業を通して、明るい豊かな未来に繋がる想いを地域社会やそこに住み暮らす人々に伝播し続けます。その想いは、事業を終えた後もHPやSNSなどのソーシャルメディアを通して発信し続けることが出来るのは周知の事実です。また、一方でメンバー間の意識や情報の共有機能という側面も兼ね備えています。そこに求められるのは適時性と適正性です。より効果的な情報発信をするために、この2つを軸に事業を通した想いの伝播の更なる浸透を図ります。そして、公益法人としてコンプライアンスに則った情報公開をし、組織の透明性と健全性を示していきます。

また、最高決議機関である総会に関しても、公益法人としてのコンプライアンスを徹底の下、全会員の意思が反映される総会の運営を行います。

 

山形ブロック大会招致

2016年第109回通常総会において、山形ブロック協議会2018年度山形ブロック大会主管青年会議所に本年度立候補することが決議されました。そして決議に基づき、今まさに米沢青年会議所が力強く動き出そうとしています。

2018年度、万全の態勢で山形ブロック大会主管青年会議所として輝けるよう、確実で強固な礎を築かなくてはなりません。これまでほとんどのメンバーが体験をしたことがない、山形ブロック大会を主管するということに恐れず、しっかりと向き合うためには、意識の醸成と想いの共有が必要不可欠であり、また、これまで以上に強く深く山形ブロック大会に関わりを持たなければなりません。一人も欠けることなく、全員が同じベクトルを持つよう、山形ブロック大会を開催する意義、そしてその大会を主管する意義を継続的に発信し続け、2017年度の関わりを2018年度主管青年会議所としての責任を全うする礎にします。

 

結びに

「恩」とは恵み、慈しみのことであり、「恩送り」とは受けた恩を別の人に送ることです。

私たちはこれまで受けた恩のすべてを返してこれたのでしょうか。返しきれる恩だったのでしょうか。私はこの米沢青年会議所に入会し、入会しなければ出会わなかったであろう沢山の人から、沢山の恩を受けました。この恩を送るため、2017年度理事長の任をお預かりします。この恩送りは決して止めてはいけません。この一念が最高の一年に繋がるよう、取り巻く全てに感謝の心を持ち、一歩ずつでも確実な歩みを進めることを誓い、そして、この一念が皆に伝わりそれぞれの胸に秘めたJAYCEEとしての矜持が満ち溢れるきっかけにするべく、2017年度の運動を力強く展開してまいります。

 

公益社団法人米沢青年会議所
渋谷 哲