はじめに

 私には、愛する家族がいます。家族と同じくらい大切な会社のスタッフもいます。責任を伴いながらも充実した生活を送るなか、私は今から 約3年前に悪性腫瘍、通称「癌」の診断を受けました。35歳の時でした。
 自分の生死に直面した時、真っ先に思い浮かんだのは5人の子供のことでした。そのとき自分のことはどうでもよかった。万が一、自分がいなくなったときに子供たちは幸せに生活することができるのかと考え、不安でたまらなくなった気持ちを今も忘れることはありません。その時の経験が今でも「子供たちが住み暮らすまちをより良くしたい」という想いを実現するための私の原動力になっています。
摘出手術を行い、幸いにも転移はなく、今は健康に生活できています。救われた命を悔いなく大切な人を守るために尽くしたい。子供たちや、私を支えてくれるすべての人のために明るい豊かな社会を築きたい。そのためには、どんなことでも前向きに一生懸命に取り組みたい。だからこそ私の返事はいつでも「はい」か「イエス」か「喜んで」しかありません。与えられた試練は、自分の力でチャンスに変える。まさに私が子供の頃から慣れ親しんできた上杉鷹山公の「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」の精神です。200年の時を超えて受け継がれてきた鷹山公の精神を胸に刻み、明るい豊かな社会の実現を目指してまいります。

 私は生まれ育った米沢市・川西町が大好きです!大人になるにつれて世界が広がり、国内外の様々な地域を訪問し経験を積み重ねるほど、地元の魅力を深く実感するようになりました。四季の移ろいを肌で感じながら、季節の訪れを楽しみに待ち焦がれることができる豊かな自然。桜が咲き誇る頃には山菜が芽吹き、夏野菜にはミネラルが豊富に含まれ、秋には新米やりんごが甘く実ります。世界から注目される米沢牛は冬の厳しい寒さのなかで濃厚な旨味と良質なとろける脂を蓄えます。きれいな水から育った上質で新鮮な食材がもたらす食文化は、住み暮らす私たちにとって当たり前の日常ですが、置賜盆地という地形が生んだ世界を魅了する自然の恵みであります。
 それだけではありません。米沢市は上杉の城下町として、数々の史跡と伝統が息づく歴史の街です。米沢の産業振興で誕生した米沢織、笹野一刀彫などの伝統工芸品のほか、米沢鯉、伝統野菜の郷土料理。開湯して700余年の歴史ある温泉。大学・短大が3つある学園都市でもあり、加えて日本初の中核工業団地である米沢八幡原中核工業団地には先端技術産業まで揃います。さらに川西町の日本最大規模となる川西ダリヤ園は町を代表する観光地であり、町民だれもが親しめる公園として存在し、高校生がバイオテクノロジー技術で「年間を通して、ダリヤの咲く町にしたい」と夢を広げています。
こんなにも恵まれた環境で生活出来ていることを誇りに思い、幸せは常に目の前にあることを自覚できるようになったのは、他でもない米沢青年会議所の活動を通じて多くの人と関わり、学びのなかで築かれたものであると感じております。
 たくさんの出会いや経験からいただいた恩を、次世代に紡ぐため、米沢市・川西町の一助となれるように誠心誠意努めてまいります。

 

希望をもたらす変革の起点となる組織作り

 青年会議所は20歳から40歳までの品格ある青年によって構成され、人種、性別、思想、宗教、職業を問わず、多様な背景をもつ人々が集う団体です。しかし昨今、メンバー数の減少に加え、平均在籍年数はわずか4年2か月、入会3年未満の会員が54%となり、理念やLOMの歴史を語り継げる人財が減少しています。その結果として、活動の本質を十分に理解されないまま参画するメンバーが増えているという課題が挙げられます。多様な価値観が集まる団体だからこそ同じ志をもって歩むためには、青年会議所の理念や、これまで紡がれてきた想いを共有し、心をひとつにして事業構築することこそが、これからの組織の成長と発展の起点となります。
 青年会議所に入会して得られるものの価値には、JC活動でしか得ることのできない、経験や人脈、能力、思考があります。優れたリーダーは人を育て、地域を発展させ、組織力を発揮できると言われます。それを学ぶことができるのが青年会議所であると私は思います。
まずは命とも言える貴重な時間を使って運動していることを自覚しましょう。そして、その中で得られる学びの質をより高めるためには、青年会議所の本質を正しく理解した上に経験をどんどん積み上げていくことが必要です。その経験を元に発せられる言葉には力が宿り、人を惹きつける魅力になります。その先には豊かな人生が待っていることでしょう。
 青年会議所の活動を通してメンバーが成長することは、まちの力となります。青年経済人という責任ある立場を全うするためにも、まちを知り、まちを語り、英知と勇気と情熱をもって前進していける組織作りに取り組んでまいります。

 

輝く個性や伝統が選ばれるまちづくり事業

 世界に誇る素晴らしい文化を、これからの未来をつくる子供たちに継承し、持続可能な社会を築いていくことが、我々青年経済人の使命であります。郷土愛から生まれる地域に貢献したいという想いであるシビックプライドを醸成することで、まちの皆さまが「住み続けたい」と思い、外からみたときには「訪れたい」「関わってみたい」と思ってもらえる、魅力的で活気のあふれたまちづくりを行ってまいります。

~世界に誇る米沢・川西ブランド作り~
 米沢市では米沢品質向上運動の一環で「挑戦と創造」にふさわしい価値を生み磨き続ける運動を支援育成し、優良な企業を「米沢品質」として表彰しています。価値を生むとは、0から1を生み出す力であり、まさに青年会議所が創立当時から行ってきた運動そのものであります。このことから青年会議所の存在意義が、よりまちから求められていると言い換えられると考えます。
 ブランドの価値とは、人々がその名前を聞いただけで、質・安心・魅力を感じて選ばれる力であり、そのブランドに対して感じる信頼や独自性は、歴史によって培われた伝統や進化の過程を物語ります。
 米沢青年会議所は、「0から1を生み出す力」を地域の人々との交流を通じて伝え、共創によって地域への主体的な関わりとシビックプライドを醸成し、新たな米沢・川西ブランドの創出へとつなげてまいります。

 

持続的に幸せで満たされた状態をつくるひとづくり事業

 Well-being(ウェルビーイング)をご存知でしょうか。身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを指し、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を意味し、SWGs(Sustainable Well-being Goals)は、SDGsの次の段階の概念として提唱されています。この考えは、私たちの理想とする明るい豊かな社会を実現するために目指すべき姿と同質です。米沢青年会議所では率先して取り入れ、一人ひとりが幸せと向き合い、満たされていると感じる心を学びの中で育み、持続的に笑顔で暮らせる状態を目指してまいります。

~地域の宝を育てる青少年育成事業~
 日本の子供たちの状況を国際的に比較してみると、物質的、身体的、教育的な条件は高い水準を保っていますが、ウェルビーイングに直結する自尊心や自己効力感が低い傾向にあると報告されており、米沢・川西も例外ではありません。
 米沢青年会議所では、未来を担う子供たちが主体性や創造力を育む事業を通じて、自己実現を目指すとともに、人との繋がりや関わりのなかで共感力や協調力を育て、真心をもって人と向き合える力を養い、幸せや豊かさを感じられる心を育んでまいります。

 

一人ひとりの主体性を育む地域活性化事業

 行政に甘えられる時代は終わりました。2050年までに全国で744市町村が消滅する可能性があると公表されています。私たちのまちを持続可能なものにするためには、住民一人ひとりが自発的にまちに活気をもたらす運動を行っていくことが、これからの時代を生き抜くために必要です。若者や移住者が増えている地域は共通して住民の当事者意識が高く「このまちを作っているのは自分たちだ!」という意欲で、どうしたらまちを元気にできるかと考え、楽しみながら運動を起こしています。そこにはチャレンジできるまちの姿があります。

~ミナミハラアートウォーク~
 2021年に10か年計画で始まったミナミハラアートウォークは、今年で6年目となり折り返し地点を通過しました。この先のゴールには、地域の皆さまがまちの明るい未来を語り、主体性をもって自分事としてまちづくりに取り組んでいる姿を目指しています。米沢青年会議所では、地域の皆さまのやってみたいという気持ちを育み、チャレンジできる機会を提供し、共に成功体験を積み上げてまいります。人を信じ、まちを信じ、なによりも自分はできると信じて、希望の光となってまちを輝かせてまいります。

 

自らが輝くことで人を惹きつける会員拡大

 青年会議所の理念は「明るい豊かな社会」の実現です。では明るい豊かな社会を築くためにはどうすればよいでしょうか。これには明確な答えがあります。それは「社会の課題を解決することで持続可能な地域を創る」ことです。
 持続可能な地域とは、地域の人口や財政、環境を持続可能なものにするに留まらず、そこに住まう全ての人々が笑顔で生きがいを持ち、自ら挑戦し続けることができる社会です。持続可能な地域の総和で「明るい豊かな社会」を創ることができるとされています。

 我々JAYCEEは、社会課題と向き合い、運動を起こし、住民を巻き込み、意識を変え、解決に導く責務があります。そのために解決に向けた「仕組」を確立することを活動の中で実践することで、リーダーシップの開発や成長の機会を得ることが出来ます。
さまざまな想いを胸に集った私たちが生み出す活動の手法は自由であり、活動の中で地域からの情報を得られるアンテナが高まり、世界中とのネットワークで繋がることができる団体は、青年会議所以外にはありません。
私たちはJAYCEEであることに自信を持ちましょう!誇りを持ちましょう!そして謙虚でありましょう。輝いている人、魅力のある組織には人が集まり繁栄します。
 米沢青年会議所が選ばれる団体となるためには一人ひとりがJAYCEEの魅力を発信すること、発信できることが必要です。活動に自信と誇りをもち、自分の言葉で熱く語り、まちの未来のリーダーが大きな一歩を踏み出すための起点となりましょう。そして加入後はサポート体制を整え、成長の機会を提供できるように全員一丸となって取り組んでまいります。

 

創立から65年~受け継がれてきた三信条の歴史~

 米沢青年会議所は1962年に40名のメンバーで創立されました。全国で214番目、県内では2番目となります。設立の目的はリーダーシップの基礎を作るため「修練」「奉仕」「友情」を図ることとされ、この三信条は現在も連綿と受け継がれております。
 「修練」とは青年会議所メンバーが自己研鑽に励み、ともに切磋琢磨し、それぞれが人間として成長できることです。
 「奉仕」とは私達が住み暮らすこの米沢市・川西町をより良くしたい、現在ある社会課題を解決し笑顔で幸せに暮らすことのできる方を一人でも増やしたいという想いです。
 「友情」とはどんなに優秀な人であっても一人でできることは限定的であり、志を同じくするものが集い共に活動することで「結」の精神が育まれ大きな力となることです。
 65年間、三信条は変わらずに今も我々の合言葉であり、その時代に合わせた多種多彩な運動となって地域に貢献してまいりました。卒業しても尚、新しいことにチャレンジし続け、地域をリードしていらっしゃる先輩方に敬意を表します。節目の年にあたる本年は、これまでを振り返り、未来のJAYCEEへ歴史や想いを受け継ぐための運動を、使命感を持って展開してまいります。

 

結びに~メンバーへ~

 皆さんは、どんな1年にしたいでしょうか。私は、“わくわく”の1年にしたいです!
 では、誰に1番わくわくしてもらいたいでしょうか。私は愛する家族です。コミュニティの最小単位である「家族」をわくわくさせられない人が、どうしたらまちをわくわくさせられるでしょうか。私は、家族も幸せにできて、家族から応援される団体でありたいです。
 皆さんと一緒にわくわくを創造して、喜びを分かち合い、笑顔溢れる1年にすることをお誓い申し上げます。

 

公益社団法人米沢青年会議所
第65代理事長 尾﨑 美聡 

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