はじめに

青年会議所は地域にとってどういう存在なのか、どういう存在であるべきか。私は、青年会議所は、その組織自体が地域を先導する存在であるとともに、個々のメンバーが地域を先導する存在でなければならないと考えます。
青年会議所、そしてそのメンバーが地域を先導する存在であるためには、何が必要か。私は、それは「信頼」であると考えます。信頼は人間関係を基礎づけ、社会を基礎づけるものです。市民、行政、各種団体などからの信頼があって初めて、青年会議所とそのメンバーが地域を先導する存在たりえるのです。
米沢青年会議所は、1962年の創立以来、米沢・川西地域においてまちづくり、ひとづくりを始めとする様々な運動に真摯に取り組んできました。その結果、現在、地域の行政や住民からの信頼を得ることができています。
私たちは、これからも、時代の変化やメンバー構成の変化にかかわらず、より地域からの信頼を得て、地域のために貢献し、地域の明るい豊かな社会を築き上げなければなりません

 

地域から信頼される人

地域に信頼される組織になるためには、まずは、組織の構成メンバー、つまり私たちJCメンバー自身が地域に信頼される人にならなければなりません。信頼される人とは、真摯に物事に取り組む人、常に挑戦する姿勢を持っている人、広い視野と知識、見識を持つ人だと考えます。私たちは、青年会議所活動を通じて、誠実に物事に取り組む姿勢、常に挑戦する姿勢、広い視野と知識・見識を身につけていく必要があります。信頼される人により構成される組織は信頼される組織となり、信頼される人、信頼される組織により構成されるまちは活力ある魅力あるまちになります。
青年会議所活動の基本は、言うまでもなく、事業への積極的な参画、委員会・会議体の活動、理事会への出席等、LOMにおける活動が基本です。公益社団法人への移行後は、対外向けの公益事業に割く時間が多くなる傾向ですが、対内向けの事業により、メンバーが学び、考え、気づきを得ることも大切です。そして、LOMのみならず、日本青年会議所、地区協議会、ブロック協議会の各種事業、大会への参画や出向なども、新たな視点から物事を考えるきっかけとなる重要な機会です。
これらの青年会議所活動を通じて、メンバー1人1人が自らの資質を向上し、誠実に物事に取り組む姿勢、常に挑戦する姿勢、広い視野と知識・見識を身につけていきましょう。

 

地域のブランド力を高めるまちづくり

沢市は、豊かな自然とそこから生まれる農産物や特産品があり、歴史に基づいた様々な伝統工芸と文化を持ち、3つの高等教育機関を持つ学園都市であり、東北有数の工業出荷額を誇る工業都市であるなど、様々な顔を持つまちです。また、川西町も、豊かな自然を持ち、特に川西ダリア園は日本一の規模を誇ります。この地域には他の地域にはない、あるいは他の地域より優れた様々な魅力があります。しかし、多くの住民は、自分たちの住む地域の魅力に気づいていないのが現状です。
2020年代という新たな年代に入る中、地方では、著しい人口減少、少子高齢化が進んでいます。何もしなければ、地方のまちは衰退の一途をたどり、やがて消滅してしまうでしょう。私たちの住む地域もその例外ではありません。このような状況の中、地方のまちを持続可能な社会にしていくためには、住民が地域の魅力を理解し、その価値をより高め、発信することで、他の地域とは違った特長を示し、その地域に対する信頼を高める、言い換えればその地域のブランディングが重要です。
青年会議所のまちづくり事業は、地域の魅力を再認識・再発見するもの、あるいは事業自体が新たな地域の魅力を生み出すものであり、地域のブランディングにつながります。
私たちは、米沢市・川西町を持続可能な社会としていくために、地域のブランド力を高めるということを強く意識してまちづくりに取り組みます。

 

「YONEZAWA」「KAWANISHI」から世界へ羽ばたく人材の育成

現代においては、インターネットによりすべての「モノ」がつながり、容易に様々な国の様々な人々と接することができます。また、外国人観光客や外国人労働者の増加により、様々な国の様々な人々と直に接する機会が増えています。
これは地方でも例外ではなく、現代に生きる私たちは、どこで生活しているかにかかわらず、世界とのつながりを深く意識しなければいけません。
様々な国の様々な人々と接するということは、価値観の異なる人々と接する機会が増えるということを意味します。私たちは、互いの異なる価値観に戸惑いながらも、互いを尊重し、理解することでコミュニケーションを図り、信頼関係を構築していかなければなりません。
しかし、近年では、残念なことに、ヘイトスピーチや政治家や著名人の言動、ネットリンチ、SNSにおける「炎上」等に見られるように、価値観の異なる人を拒絶し、攻撃し、排斥する事例が多く見られます。そこには、現代人の知性、品性が劣化しているのではないかといわざるを得ない嘆かわしい事例も少なくありません。
2020年代の人材育成は、世界と適切につながることのできる「国際人」の育成でなければならないと考えます。そのためには、他者に対する尊重と相互理解が必要です。
私たちは、ひとづくり事業を通じて、大人も子どもも他者に対する尊重と相互理解を深め、「YONEZAWA」「KAWANISHI」から世界へ羽ばたく「国際人」を育成します。

 

地域との連携

青年会議所には多種多様なメンバーが在籍し、それぞれのメンバーの強みを生かした様々な事業を展開することができます。実際に、米沢青年会議所がこれまで実施してきた事業は、いずれもその時々に在籍していたメンバーの強みを生かしたものであったといえます。しかし、青年会議所のみでできることには限界があることも事実です。それは、平時だけでなく、災害発生時においても同様です。
この地域には、アプローチの仕方は違えど、地域によりよいものにすべく活動する団体は多くあります。また、地域をよりよいものにしたいけれど、どのように行動すればよいか分からない人々もいます。この地域にある様々な団体、人々、さらには行政が互いに連携し、それぞれの強みを生かすことができれば、今までより大きく、そして地域に深く浸透する運動を展開し、効果的なまちづくり、ひとづくりが可能になります。米沢青年会議所、米沢商工会議所青年部、学生により構成される実行委員会ともに創り上げた「YONEZAWA SUMMER FESTIVAL」はその一例です。2020年も、地域の諸団体、地域に住む人々と連携し、それぞれの特長を生かした事業を構築し、実施していきます。
地域との連携は、災害発生時においても重要です。東日本大震災、福島第一原子力発電所事故の発生以後、復興支援や防災において自助、共助といった民間の力の重要性がクローズアップされています。2013年、2014年の南陽市豪雨災害に青年会議所と社会福祉協議会との連携に見られるように、青年会議所と地域の諸団体との連携により、被災者の支援をスムーズに実施できます。また、被災地の復興には地域による差異があるものの、現在では、直接的な支援よりも被災者の心に寄り添う姿勢、震災や事故を忘れず、そこから学んだ教訓を防災に活かすことが必要です。特に、2019年の台風19号では、私たちの活動地域である米沢市・川西町でも被害が生じました。これまで、米沢市・川西町では多くの住民が災害の少ない地域であるというイメージを持っており、防災意識の向上は喫緊の課題です。私たちは、防災に関する意識を高めると共に、防災を通じて地域の連携を深めます。

 

信頼につなげる会員の拡大

全国各地の青年会議所において会員減少が続く中、米沢青年会議所は、5年前と比べて会員数が増加しており、会員拡大に成功しているという評価ができます。
もっとも、数年以内に現在在籍しているメンバーの多くが卒業し、その中には青年会議所活動において経験豊富なメンバーが多いことから、潜在的な会員減少、組織としての力の低下の危機にあるといえます。
会員拡大をする意義は2つあります。1つは、会員数が多ければ多いほど、多種多様な人材が集まり、様々なアイディアが生まれ、より多くのマンパワーを投入することができ、私たちの活動の幅をより広げることができます。2つめは、活動の幅が広がれば、それだけ多くの人と接する機会が増えることから、私たちの姿勢をより多くの人に伝えることができ、地域の信頼を得る機会を増やすことができます。
私たちは、拡大の意義を認識し、引き続き、私たちと志を同じくする人材を増やすために、メンバー全員が主体的に行動し、会員の拡大に取り組みます。
また、会員を拡大すればそれで十分ではありません。より重要なのは、入会した会員が継続的かつ意欲的に青年会議所活動に取り組むことです。そのために、入会後のフォローアップにもしっかりと取り組んできます。

 

コンプライアンスを徹底した組織運営

組織におけるコンプライアンスは、現在では当然の前提であると言っても過言ではありません。コンプライアンスは、単なる法令遵守という「守り」の要素だけでなく、組織としての価値を高め、信頼を高めるという「攻め」の要素も持ちます。私たちは、今一度コンプライアンスの意義を十分に理解したうえで、コンプライアンスを適切に実践することで、組織としての信頼を高めます。

 

戦略的な広報

地域に信頼される組織として認知してもらうためには、私たちの運動を積極的に対外発信する必要があります。いかに私たちが素晴らしいと思う運動を展開しても、対象となる人々に伝わらなければ、単なる自己満足にすぎず、運動の効果は得られません。私たちは、メインターゲット層に最も効果的な手法、発信内容を最も効果的に浸透させる手法をしっかり検討し、運動の効果を得られるよう広報活動を展開します。
また、ここ数年、メンバーの増加に伴い、メンバー相互間の顔が見えない状態、所属委員会以外の活動状況が分かりにくいという傾向があります。内部に向けた広報活動の充実により、各メンバーが組織全体の状況を見える状態にし、青年会議所活動への積極的な参画への意欲を高めます。

 

結びに ~メンバーに向けて~

皆さんは青年会議所での活動をどのように捉えていますか?やりがいがある、自分の成長になる、忙しい、辛い…様々な想いを持っているだろうと思います。私たちを取り巻く環境は20年前と大きく異なります。人口の減少と高齢化により人手は不足し、地方経済は低迷を続け、男性であれば家庭での役割もより多く求められ、心理的にも経済的にも青年会議所活動に時間を割く余裕がなかなか持てないというのが現状だと思います。
このような状況の中で青年会議所活動に取り組む意義とは何なのか。それは1人1人異なります。ただ、確実にいえることは、参加すること、与えられた役割を果たすことがなければ、メンバーからの信頼は得られず、自身の成長にもビジネスチャンスにもつながらず、青年会議所に所属している意味はないということです。
もちろん、私たちにとって大事なのは、家庭と仕事であり、それをないがしろにしてまで青年会議所活動にのめり込むことは本末転倒です。ただ、少しの工夫や努力で家庭や仕事とうまく調整しながら青年会議所活動に取り組むことは決して不可能なことではありません。
せっかく青年会議所に所属しているのであれば、その活動を自分にとって意味のあるものにしていきましょう。
ただし、活動しても、辛い思いばかりでは意欲を失ってしまうのも事実です。事業の構築に一生懸命取り組んだ後の達成感、学びや気づきを得た後の喜び、メンバー間で信頼関係を築き上げられるうれしさ、そういったポジティブな感情が湧き上がるような活動ができるようメンバー全員で努力と工夫をしなければなりません。
私たちの活動が明るく豊かなものでなければ、私たちが明るい豊かな社会を築くことはできません。そのことを心にとめて、これからの青年会議所活動に取り組んでいきましょう。
そして、明るい豊かな社会の実現のために、地域から信頼される人材に、そして地域から信頼される組織になりましょう。

 

公益社団法人米沢青年会議所
遠藤 正紀

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