はじめに

 青年会議所活動の本質とは何なのでしょうか。事業の成功が目的なのでしょうか。答えは人それぞれですが、私の考える青年会議所活動とは、事業の達成を目標として、その過程において多くの経験を積む事で自己成長し、その成長が人のために活かされ、ひいては社会の役に立つためであると考えます。
 メンバーは活動において地域課題や社会の現状を知り、より良い未来にしていくために行動する中で多くの壁を乗り越える事で、自分自身の器が広がり周囲からの信頼も増えていきます。私たちは物事を主体的に考え当事者意識をもって行動する事で、課題解決に向けた突破力と自律心を養い、リーダーとして地域を先導する存在となりえるのです。そして青年会議所とは、そのような未来を切り拓く人財を創出する団体であると考えます。 
 昨年、新型コロナウイルス感染症問題が世界中に甚大な影響を与え、閉塞感に包まれました。米沢青年会議所もまた、その活動に大きな影響を受けて事業の制限を余儀なくされました。昨日までの日常が失われ、当たり前と思われていた価値観が変容し、新しい時代を切り拓く時と言われています。未来の世界を見据え、何を提供できるのか仲間と考え、新たな運動モデルの在り方を地域に示す必要があります。
 昨今、地方都市は様々な問題を抱え、地域間で支えあいながら解決へ向けた取り組みが行われています。人も、いずれにせよ一人では生きられず、誰かの支えがあってこそ自身の役割を見出しながら生きています。私は、メンバーが互いの考えやアイデアを交換し新たな発想を生み、事業を発展させてきた姿を多く見てきました。それは、地域の未来のために利他の心を持って仲間とともに行動する姿です。この強い絆は、何事にも恐れず立ち向かい、果敢にチャレンジする勇気を与えてくれます。
 多くの仲間とともに切磋琢磨し、希望にあふれる豊かな未来を切り拓いてまいります。

 

未来を見据えたまちづくり

 私たちが住み暮らす米沢市・川西町は、豊かな自然に恵まれ、長きにわたって積み上げられてきた歴史と文化、伝統のあるまちです。また、最先端の教育研究や工業製品、工芸品や農産物など、この地域に住まう人びとの挑戦と創造により生みだされたものが沢山あります。一方で、地方を取り巻く社会問題は米沢・川西においても例外ではありません。人口減少や高齢化社会といった構造的な問題は住民の意欲や活力の低下を招くなど、そこから発生する諸問題が様々あります。
 私たちはこれから先を担う責任世代だからこそ、課題に正面から向き合い、切り拓くためにできる事を考え実行しなくてはなりません。未来へつなげる為には、今一度、このまちの現状を再認識する必要があります。更なる魅力や価値の深耕は勿論、枠にとらわれない自由な発想を持って新たな価値を生み出し、内外に広く示し発信していきます。そして、自分達で見出した価値をメンバー全員が自覚し、市民・町民に伝播させる事で継続的な運動に発展させていきます。
 このまちで育ち、このまちに生かされている感謝と育まれた愛郷心を持って、未来を見据えたまちづくりに寄与していきます。

 

未来を担うひとづくり・青少年育成

 まちの今を担うのは、私たち青年世代です。そして同じようにまちの未来を担うのは子どもたちです。時代の変化に伴い、私たちの子どもの頃と比べれば、現代の子どもたちを取り巻く環境は変わりました。もっとも、環境は時々刻々と変化し続け同じ状況となることはありません。しかしながら、子を慈しみ、愛情を注ぐ心は何時の時代においても不変なものです。
 幼少期の成長過程において多種多様な環境や多くの経験を積み重ねることは、その後の人間形成に大きく関わる貴重な財産となります。子どもは無限の可能性を持っており、夢や希望に溢れたワクワクするような経験を提供する事で自立心やチャレンジ精神を醸成し、未来を明るく照らす人財に成長してほしいと考えます。
 これまで私たちは、大人に至るまで多くの学びと経験を得て成長し、米沢青年会議所の一員として、様々な気づきと何事にも果敢に挑むチャレンジ精神で修練を積み重ねてきました。その姿勢をもって未来を担う子どもたちに示すことで、既成概念にとらわれない心の豊かな人財を育むとともに、教科書には無い多くの機会を提供し、私たちの想いをたくさん伝えていきます。

 

未来へつなぐ会員拡大

 青年会議所は、活動の中で自己の成長を促し、地域のパイオニアを創出する団体として日々運動を行っていますが、40歳という制限のもとに新陳代謝が行われます。その一方で、年齢の制限があるからこそ、自分自身の壁を越える努力をし、資質の向上とリーダーとしての自覚と責任が生まれるとも言えます。
 米沢青年会議所は、今後3年で約半数のメンバーが卒業する見込みです。会員数は組織活動の大きさに比例するばかりでなく、多様性を生み出すことで自分と違う考えに触れる機会となり、他者を受容する心を養い、多種多様なアイデアと行動力で運動に広がりを生み出します。そして、その運動を未来へ向けて継続的に地域社会に浸透させていくためにも、多くの仲間との連携が必要だと考えます。
 私たちが入会して得たものの一つに、仲間との出会いがあります。青年世代の志を同じくする仲間との出会いは、かけがえのない財産です。新たに加わるメンバーや仲間にしっかりとフォローアップを行い、活動への理解と意義を発信し、地域を明るく照らす運動を展開するために引き続き会員の拡大運動に取り組み、未来へつないでいきます。

 

未来のための組織運営

 青年会議所は、直接的な利益を求めて活動するものではなく、地域の問題・課題に自らの視点でフォーカスし、解決へ向けて運動を展開しています。私たちの運動を一人でも多くの方に認知していただき、理解を得て関わっていただくきっかけを作るためには、積極的に対外発信を行う広報活動が必要です。近年続けているSNSやWEBサイトの活用は勿論、様々な媒体を有効に活用し効果的な手法で運動発信を展開していきます。
 また、新型コロナウイルス感染症問題を契機として、多人数が集まり情報共有をする機会が減った現在において、メンバー相互間の顔が見えず所属委員会以外の活動状況が分かりにくい傾向にあります。内部へ向けた広報活動の充実やIT技術を活用した会議運営など、組織全体の状況が見える状態にすることでメンバー間のコミュニケーションの活性化を図り、活動への参画意欲を高めます。他方で、直接会って行う活動を否定するものではありません。メンバーに対し安全で安心して活動できる場を提供する義務も組織にはあると考えます。社会情勢を鑑みながら工夫を凝らし、コロナ禍においても出来る安全な活動方法の在り方と向き合い考えることで、常に前向きに挑戦する姿勢を示し、未来のために進化する組織としての価値を高めます。
 さらに、地域社会の信頼に応えられる公正な組織基盤として、コンプライアンスに則り、透明性と健全性を示した組織の運営を行ってまいります。

 

未来を想う60周年

 1962年、40名のメンバーで構成された米沢青年会議所が全国で214番目、山形県内においては2番目として創立され、それから59年の歴史を重ね、本年は60周年を迎えるにいたりました。私たちがこれまで歩みを進めてこられたのは、米沢・川西の市民・町民の方々を始めとする行政機関や団体各位のご指導と、また、各地会員会議所を始めとする多くの仲間の協力の賜物であります。そして何よりも、今日まで米沢青年会議所の運動を紡いでいただいた先輩諸氏の皆様方に心から敬意を表し、深く感謝を申し上げます。
 私たちはこれまで、数多くの恩を受けて運動を展開してきました。この流れを止めることなく、次世代へ継承していくことは私たち現役世代の責務です。機械化が進み、情報過多社会と言われる現在ではありますが、まちづくり、ひとづくりの事業を中心とした青年会議所運動の主体となるのはいつの時代も人であると考えます。改めて、人と人、人と地域のつながりを意識し、共に手を携えて未来のための積極的な事業の構築と、自治体や各種団体と協働した運動を展開することで、米沢・川西を輝かせていきたいと考えます。
 これから先70周年、100周年へ向けて、米沢青年会議所の伝統や志を引き継ぎ、このまちに住み暮らす市民・町民の方々や未来を担う子どもたち、米沢・川西の未来に事業という形を通して送り続け、地域に必要とされる米沢青年会議所として引き続き邁進してまいります。

 

結びに

 2010年の入会から10年が過ぎ、これまでたくさんの出会いと成長の機会をいただきました。数えきれないほどの気付きと学びを得て、それが常日頃の活動や仕事に多く活かされています。この受けた恩を送るため、2021年度理事長の任をお預かりします。
 このような時代だからこそ、メンバーは青年会議所活動で培った経験を活かし、地域を牽引する存在として、リーダーシップを発揮する必要があります。そして広い視野と見識、自律心を持った信頼される人財として、明るい豊かな社会の実現へ向けて地域社会に貢献して行かねばなりません。
 誰の胸にも、自分の未来を良くしたいという想いがあります。そのためには地域の未来が良くならなければなりません。自分の未来は地域の未来でもあるのです。そして、それを実現できるのが青年会議所であると信じています。この想いを胸に刻み手を取り合い、共に米沢・川西の未来のために一丸となって明るい未来を切り拓いていこうではありませんか。

 

公益社団法人米沢青年会議所
樋口 大

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