~はじめに~

私たちは米沢市・川西町に住んでいる青年経済人であります。多種多様な企業、団体組織に属し、日々仕事をしています。ところで、仕事の本質とはなんでしょうか。自分や家族がより良い生活をしていくためにお金を稼ぐことが仕事の本質でしょうか。仕事とは、他者の生活をより良くするために活動し対価を得ることだと私は考えています。では、青年会議所活動の本質とはなんでしょうか。それは、「明るい豊かな社会」の実現に向けて地域に対してより良い変化をもたらすことを目的とし奉仕することであります。公共のために尽くす気持ち、利他の精神、これはまさしく「義」の心です。見返りを求めることなく、一心不乱に地域のことを考え続け、米沢市・川西町により良い変化をもたらすために行動することができる、そんな「義」の心を持った青年経済人が集まった団体こそが、米沢青年会議所だと私は考えます。

 

~より良い変化とは~

 水は「流れ」という変化がなければ淀みやがて腐ります。火は「風」という変化がなければ弱まりやがて消えます。地域にも同じことが言えるのではないでしょうか。変化がなければ地域は衰退しやがて消滅します。地域にとっての変化とは我々の「挑戦」に他なりません。「明るい豊かな社会」の実現のためには、我々の「挑戦」という名の行動が必要不可欠です。しかし、闇雲に行動を起こしても無駄になってしまいます。地域の皆様からの共感がなければ独りよがりの活動になってしまいます。ゆえに地域の課題を、社会の課題を、徹底的に深掘りし、その課題解決のために挑戦し、地域の皆様からの共感を得て地域の皆様を巻き込んで運動に展開していく、それこそが地域にとってのより良い変化だと私は信じています。

 

~修練と友情~

また、青年会議所は修練の場でもあります。これは、その年の理事者や出向者にのみ当てはまることではありません。いきすぎた負荷は時としてその人を苦しめてしまいますが、適度な負荷は人間の成⾧にとって欠かせない要素であります。私はこの一年を、メンバーの皆さん一人ひとりにとって実りある修練の一年にしていただきたいと考えております。私たち青年経済人個人の成⾧は、属している企業や団体組織の成⾧にのみならず、地域の成⾧に直結しています。「義」の心を研鑽できるような機会をこれまで以上に創出することが必要であると私は考えています。さらに、奉仕・修練という信条のもと青年会議所活動をするうえで、人とのつながりもまた欠かせない要素であります。人とのつながり、それは「義理と人情と恩」に他なりません。青年会議所活動を通して、仲間と共に助け合い、地域の人たちと協力し合い、失敗と成功を繰り返す、その過程によって生まれるのが「義理と人情と恩」であり、それこそが友情であります。このことを決して蔑ろにせず、この地域により良い変化をもたらすために誰もがチャレンジする団体として私たちは活動し続けなければなりません。

 

~持続可能なまちづくり~

まちづくりにおいてのより良い変化とは何か。それは、そのまちに住む人々にとって、そのまちの居心地が良くなることではないでしょうか。より楽しいまち、より安全で安心できるまち、より便利なまち、人によって価値観は様々ですが、総じて、そのまちの居心地がより良くなることが、そんな温かな変化こそが、持続可能なまちづくりには必要です。米沢市・川西町には、豊かな自然があります。伝統ある歴史や文化が根付いています。また、米沢市は人口規模8万人前後の都市に3つの大学が立地している全国でも珍しい学園都市でもあります。さらには、2024年から「戦国花火大会」という新たなイベントが当LOMをはじめとした地域の青年団体が主体となって開催されました。そのどれもが、私たち市民町民が誇れるこのまちの財産でありポテンシャルです。まちを誇る気持ちは、まさしく「義」の心です。これからも私たちが持っている「義」の心をひとつにし、このまちのポテンシャルを活かし、このまちの居心地がより良くなるような温かな変化をもたらすことによって、持続可能なまちづくりを率先してまいります。

 

~他者への想像力を育むひとづくり~

 

いつ起こるか分からないが必ず起きる危機、それが自然災害です。当LOMは、米沢市の社会福祉協議会と災害協定を結んでおり、有事の際、私たちは被災者でありながらも率先して他の被災者のために行動しなければなりません。私たち青年経済人は地域を牽引するリーダーとして地域を守る義務があります。緊急時には、コミュニケーション能力、決断力、柔軟性というリーダーとしての資質が一人ひとりに求められます。その全てに関わる力こそが他者への想像力です。有事の際、他者が何を考え、どのように行動し、何を必要とするのか、それらを想定し、備えることこそが防災力を高めることであります。地域を牽引するリーダーとなるために、他者への想像力を育み、防災力を高める取り組みが、災害の激甚化に歯止めがかからない今、私たちには求められています。
また、現代の子どもたちはデジタルネイティブの世代と呼ばれています。幼少の頃からデジタル機器が身近にあり、SNS等のコミュニティを通じて多種多様な人とつながることができ、真偽を問わずあらゆる情報を収集・拡散することが可能です。ゆえに、子どもたちがSNS等を通じて重大な事件の被害者や加害者になってしまうニュースが後を絶ちません。インターネットは、たくさんの人とモノとつながっています。他者への想像力とは、自分の言動や行動が周りに与える影響を想像し、自分の言動や行動に責任を持つことでもあります。現代の子どもたちの生活をより良くするためにも、この他者への想像力は必要不可欠です。
私たちには、地域の人たちを守る義務があります。米沢市・川西町の人たちを想う「義」の心があります。だからこそ私たちは、強い使命感を持って他者への想像力を育むひとづくりに取り組まなければなりません。

 

~率先して地域を楽しむ~

地域はその場所に住む人々の活力によって維持されています。では、その活力の源とはなんでしょうか。その活力の源とは、その地域での生活の中で楽しめるものを発見し体験することではないでしょうか。米沢市・川西町に住んでいる私たち青年経済人が率先して地域を楽しむ姿こそが、地域に住まう人々の活力の呼び水になると私は考えています。
地域活性化において、私たち米沢青年会議所は、米沢市・川西町の未来を見据え、地域の様々な団体と協働し、近年開催しているミナミハラアートウォーク事業をはじめ今まで数々の事業を展開してまいりました。継続的に行っている当LOMの地域活性化事業は、市民町民の楽しみのひとつとなっています。本年も、市町内外の皆様の活力の呼び水となれるよう、私たちが率先して地域を楽しみ、より良い地域活性化を行ってまいります。

 

~「義」の種火を絶やさぬために~

私たち米沢青年会議所が周囲に誇れる強みとはなんでしょうか。それは圧倒的なマンパワーだと考えております。米沢市・川西町を想う「義」の心を持った多くの青年経済人が昼夜を問わず地域により良い変化をもたらすために考え行動している、米沢青年会議所はそんな団体です。かの上杉鷹山公の逸話にもあるように、私たちは米沢市・川西町の種火であります。この地で「明るい豊かな社会」という大炎の花を咲かせるためには、まだまだ「義」の心を、その熱を帯びた種火を心に秘めた新しい仲間が必要です。今一度、全メンバーがひとつとなり会員拡大活動ができるように、仲間たちとの交流、関係諸団体との交流、そして新しく仲間となるメンバーとの交流やフォローアップも含めて、全力で会員拡大に挑戦してまいります。

 

~より良い組織にするための改革~

私たちは米沢青年会議所のメンバーであると同時に、働き盛りの青年経済人であり、家庭のある個人であります。働き方改革、新型コロナウィルス感染症への対応、アフターコロナ、ジェンダーフリー政策、生産性向上を目的としたデジタル化の推進等、社会は生活様式も価値観も目まぐるしく多様に変化しています。青年会議所の活動も、この社会の変化に順応しなければなりません。連綿と続き培われた米沢青年会議所の活動の良い部分を引き継ぐことはもちろんですが、古くなってしまっている慣習は、その本質を今一度見極め、現代に即した慣習に変え、より活動し易い組織への改革を、スピード感を持って取り組んでまいります。

 

~結びに~

私たち米沢青年会議所が、地域の皆様から期待されていることはなんでしょうか。それはひとえに、活動を通して私たち米沢青年会議所メンバー一人ひとりが、地域を牽引することができるリーダーとなることです。そんな地域の皆様からの期待に応えるためにも、40歳で終わりではなく、40歳から地域を牽引するリーダーとしてのスタートが切れるように、私たちは今、挑戦しなければなりません。今一度、胸に秘めた「義」の心に灯をともし、より良いすべての変化のために、共に行動し、米沢市・川西町に挑戦という名の新たな風を起こしましょう。

 

公益社団法人米沢青年会議所
第64代理事長 川野 敬太郎 

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